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- 当院での近視進行抑制治療について
近視進行が目に及ぼす影響と学童期の近視進行について
近視が進行し、強度近視や病的近視に至ると、緑内障、網膜剥離、網膜変性などの視力に影響を及ぼす合併症を来す可能性が高くなります。診断・治療は進歩しておりますが、難治性の合併症があるのも事実です。強度近視になりやすい学童の、近視の進行が早い学童期に、少しでも近視進行を抑制することが重要となります。また、学童の近視は、眼軸長(眼球の長さ)が伸びることで、ピント位置がずれることにより、生じる場合が多いと言われています。一度眼軸長が伸びてしまうと、元に戻りません。そのため、眼軸長の伸びを抑えることが、近視進行を抑制するために重要となります。
近視の強さによる分類
1.弱度近視 :-0.5以上~-3D未満
2.中等度近視:-3D以上~-6D未満
3.強度近視 :-6D以上~
病的近視
近視の強さに関係なく、眼球の後ろ側の変形が強く、網膜や視神経が障害され、眼鏡を装用しても、視力が十分に得られない状態です。
強度近視になると、その割合が増加します。
マイオピン点眼治療について(低濃度アトロピン)
- 副作用が少ない、上記眼軸長の変化を抑制すると言われている近視進行抑制点眼薬です。
- 近視の進行を抑制すると報告されていますが、残念ながら作用が得られない場合も報告されております。
最低2年間は使用を継続することが推奨されています。 - 毎日就寝前に、1日1回1滴、点眼します。(1カ月で取り換える必要あり)
- 3カ月に1回の通院が必要になります。使用した点眼薬は1カ月たったものは回収いたします。
- 基本的には近視の進行を抑制する治療であり、視力を回復する治療ではありません。また、長期に持続するかについては未知であります。
- 重篤な副作用の報告はありませんが一時的に瞳孔(黒目)が大きくなり、まぶしさを感じることがあります。就寝前に点眼し、7時間ほどで朝には戻りますので、ご心配ありません。また、ピント合わせにはほとんど影響を与えません。なお、何か気になる症状が出現した場合は、使用を中止し、ご相談ください。
近視進行抑制治療(マイオピン点眼治療)を受けたほうが良いと考えられるお子様
下記のお子様への処方が推奨されております。
- 6~12歳の学童
- 軽度~中等度の近視の学童
- 1~3カ月ごとの通院が可能
*当院では、特に強度近視になる可能性が高いお子様に紹介しております。(親が強い近視、低学年で中等度の近視がある、近視の進行が早い)
マイオピン治療の詳細
- 近視があることがわかり、医師からマイオピンの説明を受けて、治療を希望される場合は、次回以降からの治療開始となります。
- 開始1回目:検査(眼軸長検査もしくは、前回の視力検査から2カ月以上空いた場合は視力検査。1年以内に眼底検査を行っていなければ眼底検査)診察後マイオピン点眼処方
- 開始日から1カ月後:検査(視力検査)診察し、継続可能な状態であれば、マイオピン点眼を3本処方その後は3カ月ごとに検査診察
*当院では、眼軸長トレンド解析ソフトウエアAxial Managerを用いて、定期的に測定した眼軸長(目の長さ)から近視眼の進行傾向、同年代の子供たちとの比較を行い、治療の経過、効果について説明することが可能となっております。
費用(自由診療になります)
- 開始1回目の検査 診察費用3,000円(税込)
- 1回目以降の診察費用2,000円(税込)
- マイオピン点眼1本(1カ月使い切り)3,300円(税込)
- マイオピン点眼3本(3カ月分)9,900円(税込)
以上となります。
治療を希望される方は、当院にお越しいただいた上で、適応について検討させていただきます。